“M&A大国” 中国のリアル

編者:福谷 拓弥

定価 2,090円(税込)

発行日: 2025年10月21日

A5判・104頁

infoアイコン本の紹介

中国をめぐる報道がネガティブに傾くなかでも、実際の中国ビジネスの現場ではダイナミックな変化が続いています。本書は、長年中国M&Aに携わってきた実務家が、「中国インテリジェンス」という独自の視点から、最新の経済・政策・企業動向を読み解く一冊です。

中国政府の政策転換、国有企業や民間企業の構造、香港・大湾区の役割、人材戦略の変化など、複雑化するメガトレンドを具体的データと事例で分析。

「With CHINA」の時代において、日本企業がどのように協業し、どのように情報を読み解くべきかを、実務家の視座から示します。

中国市場のリスクを恐れるだけでなく、機会をどう見極めるか──M&Aを通して「中国のリアル」を理解するための必読書です。

infoアイコン目次

第1章 中国インテリジェンスの基本

──日本と中国の「情報感度」の違いを読み解く

  • 中国理解のための情報の多様性
    ・百害あって一利なしの日本の「長老様」
    ・米国の対中国政策の欺瞞
  • 中国市場の因数分解
    ・グレーターベイエリアの強さ
    ・新一級都市とは?
    ・大中華圏(グレーターチャイナ)ビジネス(物流・商流)
  • 中国企業の因数分解
    ・中国の国有企業とは
    ・中国国有企業系VC
    ・中国の民間企業とは
    ・国有企業の事例
    ①太陽光パネル業界における急速な台頭
    ②国有企業シティック(CITIC)グループの日本での活躍
    ③地方政府系企業の台頭
  • 中国の日本に対する見方の変化
    〈中国雑談〉チャイナエリートの情報収集の基本

 

第2章 最新の中国データと政策動向

──データで読み解く中国経済とM&A政策の潮流

  • 中国経済の現状をデータで読む
    ・経済規模の因数分解
    ・富裕層と低所得層の二極構造
    ・不景気でも伸びるセグメント
  • 中国はインドをどう見ているか
    ・中国企業のインド進出
    ・インド経済の規模感
  • 中国の政策動向とM&A
    ・貿易摩擦への対応
    ・世界の製造業中心へ
    ・中国企業の投資動向
  • 中国M&Aの重点分野
    ・次世代ICT/AI/新エネルギー/先端製造装置/バイオ医薬
  • 重点分野のM&Aと特許件数
    〈中国雑談〉中国ビジネスのSNS名刺交換(WeChat ID交換)

 

第3章 中国企業のM&Aと市場動向

──中国M&Aの実像と日本企業が直面する課題

  • 中国M&Aの推移
  • 中国M&Aの参謀
  • 中国のAI投資動向
  • 中国企業による海外M&Aの動向
  • 日本企業とのM&A
    ・既存技術と市場化の最強タッグ
    ・日本企業にとってのメリットと注意点
  • その他の留意事項と動向
    ・国有企業とのM&Aの注意点
    ・急増する消費財分野のM&A
    ・欧州企業と中国企業の関係
    〈中国雑談〉中国ビジネス情報のアップデート方法

 

第4章 現在の中国を知る――M&Aへの視点

──香港・人材・政策から見た中国の「現在地」

  • 出島となった「新香港」
    ・新香港の現状分析と競争力
    ・香港の未来と日本企業の活用
    ・香港の再評価とファミリーオフィスの回帰
    ・優秀な香港・国際人材の集積
    ・香港の今後の役割(資金調達・研究開発拠点)
    〈中国雑談〉中国での信頼
  • 中国の人材動向と政策
    ・人口減少・高齢化・技能労働者不足
    ・若年層の失業率と就業意識
    ・大中華圏の人材動向
    〈中国雑談〉三人成虎の中国情報

 

第5章 今後の中国M&A展開のために

──「With CHINA」時代の協業戦略と情報戦

  • 中国との協業戦略「With CHINA」の潮流
    ・With CHINAとは何か
    ・事例と情報戦の課題
    ・中国・香港・台湾人材の確保と登用
    〈中国雑談〉中国企業の中国インテリジェンス
  • 新たな中国M&A局面に向けて
    ・日本企業の情報分析力の向上
    ・現地ファームの活用と人材育成
    ・スピード感を欠く日本企業への警鐘
     ・中国M&Aは市場参入の有力チケット
    〈おわりに〉

infoアイコン著者紹介

福谷 拓弥(ふくや たくや)

上海財経大学注冊会計系卒業(飛び級)。香港の監査法人および中国・日本のコンサルティングファームにて、中国市場を中心としたファイナンシャル・アドバイザリー(FA)および戦略コンサルティング業務に従事。2018年、日中間のクロスボーダー投資および事業提携支援を目的に株式会社KOBO CAPITALを設立し、上場・未上場を問わず日中企業に対して自己勘定投資、共同投資、FA業務を提供。コージンバイオ株式会社(東証グロース177A)取締役、JETRO北京アドバイザーなどを歴任。現在、医療AIベンチャーであるメディカルブリッジ株式会社代表取締役を務めるほか、複数の投資先企業において社外取締役として企業価値向上に関与。著書に『海外M&Aの実務―中国・香港』(中央経済社)がある。

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