本の紹介
東証改革、「資本コストや株価を意識した経営」要請、企業買収ルールの整備などを背景に、アクティビズムや同意なき買収は、もはや一部企業だけの問題ではなくなっています。株主提案の活発化、TOBの増加、議決権行使基準の厳格化など、上場企業を取り巻く環境が大きく変わるなか、法務、IR・SR、総務、経営企画、株式実務の担当者には、平時からの備えと有事対応の両方が求められています。
本書は、こうした最新動向を踏まえ、制度改革の要点から、アクティビストの動向、平時の脆弱性分析、同意なき買収の主要事例と対応策、株主提案やキャンペーンへの対応、株主総会当日の実務までを、豊富な事例とともにコンパクトに整理した一冊です。
著者は、株主総会対応や議決権対応の支援に豊富な実績を有する三菱UFJ信託銀行の実務家チーム。実質株主判明調査、票読み、反駁ロジックの検討、機関投資家・議決権行使関係者へのアプローチなど、信託銀行による具体的な支援内容にも触れながら、企業価値向上と資本市場との対話が厳しく問われる時代に押さえておくべき実践知を示します。アクティビズムと同意なき買収への備えと対応を、一冊で見通すための好適書です。
目次
第1章 上場会社を取り巻く環境変化
1 サマリー
2 上場会社を取り巻く状況
(1)日本の株式市場の動向
(2)スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードの制定、東証の市場区分変更
(3)東証からの要請
(4)経産省の「企業買収における行動指針」
(5)議決権行使基準の厳格化
(6)第1章まとめ
第2章 最近のアクティビズムの動向
1 アクティビストとは
2 2025年6月の株主総会におけるアクティビズム
(1)株主提案の状況
(2)株主提案の傾向、件数や内容
(3)株主提案の結果
3 アクティビストの一般的な動き
(1)アクティビストの取りうる戦略的手段
(2)平時~準有事段階でのアクティビストに想定される動き
(3)有事段階でのアクティビストに想定される動き
第3章 平時の段階におけるアクティビズムへの備え
1 アクティビストの着眼点
2 アクティビストの投資先の状況
3 平時に求められる対策
4 脆弱性(アクティビストや投資家に指摘されうる論点)分析とは
(1)事業戦略
(2)資本財務戦略
(3)開示戦略
(4)非財務戦略
第4章 同意なき買収
1 「企業買収における行動指針」と同意なき買収
2 同意なき買収に係る事例研究
(1)TAKISAWA・ニデック─「企業買収における行動指針」に基づく買収提案の嚆矢
(2)ベネフィット・ワン・第一生命ホールディングス─対抗TOBの成立事例
(3)C&Fロジホールディングス・AZ-COM丸和ホールディングス─ホワイトナイトによる対抗TOBの成立事例
(4)富士ソフト・KKR・ベインキャピタル─アクティビスト主導による非公開化プロセス
3 過去事例を踏まえた「望ましい買収」の条件整理
4 同意なき買収に対する企業の備え
第5章 信託銀行(アドバイザー)の有事対応サービス
1 アクティビズムにおける平時と有事
2 株主提案に至った際のアクティビスト・会社側対応フローおよび信託銀行支援
(1)実質株主判明調査
(2)票読み
(3)反駁ロジック検討
(4)機関投資家・議決権行使関係者との面談設営支援
3 三菱UFJ信託銀行における有事対応アドバイザリープログラム
(1)有事対応支援における弊社サポート体制
(2)JSS・Georgeson社によるパブリックキャンペーン・株主提案に対するサポート全体像
(3)有事対応アドバイザリープログラムの内容


